次世代モビリティ市場イメージ

2025年11月、日本の交通社会において大きな転換点が訪れます。厳格化される排ガス規制により、長年市民の身近な足として活躍してきた「50cc以下の原付一種(ガソリン車)」の新車生産が事実上停止となる「2025年問題」です。昭和から平成、令和にかけて、通勤・通学、お買い物、ラストワンマイルの配達などを支えてきたモビリティが姿を消すことになり、市場には巨大な空白が生まれようとしています。

では、その空白を埋め、今後のモビリティ市場を牽引していくのは何でしょうか。私たち、次世代モビリティブランド「eXs(エクス)」を展開する株式会社カスタムジャパンは、この状況を単なる「原付の代替わり」ではなく、ライフスタイルと移動のあり方を根本から変える「移動革命」の好機と捉えています。メーカーの視点から、特定小型原動機付自転車(以下、特定小型原付)の動向と、電動モビリティ業界の今後の予測をまとめます。

1. 特定小型原付の台頭と「手軽さ」の再定義

2023年7月の改正道路交通法施行により誕生した「特定小型原付」という新区分は、モビリティ市場に大きな衝撃を与えました。16歳以上であれば運転免許不要、ヘルメットの着用は努力義務とされ、最高速度20km/h(歩道モード時は6km/h)で走行できるこの電動キックボード等の乗り物は、移動のハードルを劇的に引き下げました。

弊社が展開する特定小型原付「eXs 1 TKG」は、応援購入プラットフォーム「Makuake」にて特定小型原付モデルとして支援人数歴代1位を記録しました。また、2025年の大阪・関西万博の公式サプライヤーとして、広大な会場のバックヤードでの関係者移動用モビリティとしても採用されています。この反響の大きさは、若年層から高齢者、または免許を返納した方々に至るまで「免許に縛られない、手軽でエコな移動手段」への潜在的な渇望がどれほど大きかったかを如実に物語っています。

今後、特定小型原付は、都市部でのシェアリングサービスにとどまらず、個人所有の「マイ・モビリティ」として、地方都市や郊外のラストワンマイルを埋める中核的なインフラへと成長していくと予測しています。

2. 「移動手段」から「ライフスタイル・ギア」への価値転換

一方で、50cc原付が担っていたすべての用途を電動キックボードだけでカバーできるわけではありません。走行距離、荷物の積載、あるいは「座って安定して走りたい」といった多様なニーズに対して、電動アシスト自転車(e-Bike)やペダル付き電動バイク(モペット)が急速に支持を集めています。

※ eXsは、道路交通法・道路運送車両法などのルールを逸脱した違法モペットの流通および走行に強い危機感を持っています。モペットを公道で利用する場合は、車両区分に応じたナンバープレート取得、自賠責保険加入、ヘルメット着用、交通ルール遵守が必要です。私たちは違法走行に反対し、適法かつ安全なモビリティ利用の啓発を継続します。

ここで重要なのは、消費者の価値観の変化です。かつての原付は「安くて便利なアシ」としてのコモディティの側面が強いものでした。しかし、これからの電動モビリティは、モーターやバッテリーの配置によるデザインの自由度が高く、「個性を表現するアイテム(ギア)」へと価値がシフトしていきます。

弊社の原点には「デザインの良いモノは高すぎる。手頃なモノは心躍らない」という業界のジレンマを打破する想いが込められています。この思想を体現したのが、ファットタイヤを備えたストリートエッジな電動アシスト自転車「eXs Street」や、バイクライクな骨太デザインの「eXs e-Bike MotoLike」です。これらは、単にA地点からB地点へ移動するためだけでなく、「これに乗って出かけたい」「自分のファッションに合う」という『所有する悦び』を提供します。今後の市場では、機能性や価格だけでなく、ユーザーの感性やライフスタイルにどれだけ深く刺さる世界観(ブランド)を提示できるかが勝負となります。

3. アフターサポートとインフラ網が「淘汰」を決める

電動モビリティ業界には現在、国内外の無数の新興メーカーが参入し、群雄割拠の様相を呈しています。しかし、数年後には淘汰が進むと予測しています。その最大の要因は「購入後のサポート体制」です。

現在のECサイトなどでは、安価な海外製モビリティが溢れていますが、「修理できる店舗がない」「補修パーツが手に入らない」といった売りっぱなしの状況が社会問題化しつつあります。乗り物は命を預かるものであり、メンテナンスができなければ単なる使い捨ての玩具になってしまいます。

私たちカスタムジャパンは、1954年創業のグループ企業を基盤とし、全国のバイク販売店や自転車販売店へモーターパーツを供給してきた70年の歴史と強固なネットワークを持っています。この知見を活かし、eXsブランドでは補修部品の安定供給と、全国の代理店・協力店における「キャリーイン(持ち込み)」「デポジット(送付)」を含めた鉄壁のサポート体制の構築を進めています。今後のモビリティ市場において勝ち残るのは、革新的なプロダクトを生み出すだけでなく、泥臭いまでのアフターサポート網を築き上げ、ユーザーと販売店に「安心」を提供できるメーカーだけです。

結論:「ノル人をツクる」次世代モビリティ社会へ

50cc原付の生産終了は、一つの時代の終わりであると同時に、より多様で、クリーンで、楽しいモビリティ社会の始まりです。電動キックボード、e-Bike、小型EVなどがシームレスに交じり合う未来の街角において、私たちは「#ノル人をツクる」というミッションを掲げ続けます。

それは単に移動の空白を埋めるだけでなく、誰もが「気軽に、ラクに、そして楽しく」移動できる豊かな体験を創り出すことです。法改正や技術の進化を追い風に、eXsは日本の次世代モビリティ市場を牽引し、人々の日常をアップデートする「移動革命」の最前線を走り続けたいと考えています。